細動脈・細静脈におけるNOのリソースは?
  Diaminofluorescein diacetateによるNOの生体内イメージングによる
  NO生成動態のリアセスメント


   Kashiwagi, S., Kajimura, M., Yoshimura, Y.,Suematsu M.,
   Nonendothelial source of nitric oxide in arterioles but not in venules:
   Alternative source revealed in vivo by diaminofluorescein microfluorography.
   Circ Res 91, e55-e64, 2002 (Ultrarapid Communication)

   Suematsu M., Tamatani, T., DeLano, F.A., Miyasaka, M., Forrest, M., Suzuki, H.,
   Schmid-Schoenbein, G.W. Microvascular oxidative stress preceding
   leukocyte activation elicited by in vivo nitric oxide suppression.
   Am. J. Physiol. (Heart Circ. Physiol.) 266, H2410-H2415, 1994.
 

   ラット腸間膜微小循環ではNOS阻害剤であるL-NAMEを表面灌流するとまず細静脈で白血球のrolling, adhesionが観察され、濃度を高くしてゆくと細動脈の収縮が現れる。白血球の接着は動脈系の収縮によりwall shear stressが低下したからではなく、細静脈血管内皮細胞にP-selectinが発現すること、この発現は血管内皮細胞における酸化ストレスが急速に上昇することが原因であることは1994年に報告していたが(Suematsu, et al. Am J Physiol 1994)、実際にNOの生成動態がどのように細動静脈で異なるのかについては理解されていなかった。Kashiwagi (COE-RA)はNO感受性蛍光色素DAFを用いて直視的に生体計測することによりこの疑問に答えようと研究を進めた。その結果、細動脈はnNOSによるNO供給が優位、細静脈ではeNOSによるサポートが優位であること、肥満細胞も重要なNOリソースであり、iNOSの発現がその要因であることが明らかになった。また微小血管床のNO供給には局所のNOSに寄らない分画が存在することも示唆された。このような分画がStamlerらの報告するnitrosothiolによるdeliveryかどうかは定かではない。ともあれ、この研究はDAFを用いたNO挙動解析により初めてNO供給系のheterogeneityを論じたものとしてCirculation Research誌のUltrarapid Communicationとして採択された。


five.jpg